最新刊
ー技術の営みの教養基礎ー技術の知と倫理
(2023/04/21)【内容紹介】 本書は、技術者倫理だけでなく社会人・技術者になる準備のための教科書です。そして皆さんが社会人・技術者として羽ばたいていく世界、とりわけ日本社会は、今まさに大きな曲がり角に差し掛かっています。その行く末は、私たち一人ひとりの創造的な活動と判断にかかっているでしょう。ここではまず、私たちが生きていく現在を戦後の歴史の中で確認することから始めましょう。(「はじめに」より抜粋) 【著者紹介】 比屋根 均(ひやごん ひとし) 1962年大阪生まれ。1990年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(金属材料)。大同特殊鋼株式会社入社、主に鋼材製造部門、プラント部門、開発、品質等マネジメントシステム部門担当。2000年技術士一次試験合格、技術士補(環境部門)、(社)日本技術士会準会員B。2003年技術士二次試験合格、技術士(総合技術監理部門/衛生工学部門)(社)日本技術士会正会員。2005年(社)日本技術士会中部支部ETの会(技術者倫理研究会)創設に参加。 【目次】 はじめに 1章 ガイダンス〜社会人生活への準備を始めよう〜 1.1 有意義な学生時代のために 1.2 “ミス”の重み 1.3 問題が不明確なのは誰のせい? 1.4 自分だけでできないのが技術 1.5 本書の狙いと講義の進め方 2章 技術者倫理の目的〜技術者に求められる倫理とは?〜 2.1 何を“非倫理的”と感じるか? 2.2 技術の最先端は試行錯誤 2.3 技術者がしていること 3章 よりよい試行錯誤〜実用的な専門知識とは?〜 3.1 試行錯誤〜枚挙的帰納法 3.2 枚挙的帰納法と集団思考 3.3 技術者の専門能力 3.4 技術的逸脱とその標準化 3.5 優れた技術者の条件 4章 科学・技術の中の知識〜その知識は本当に正しいか?〜 4.1 技術の誤り〜事例 4.2 推論の不確かさ 4.3 知識の正しさと成立条件 4.4 科学的知識の正しさと限界 5章 技術知の戦略〜不確実さとの付き合い方〜 5.1 科学の知と技術の知 5.2 間違い最少の戦略 5.3 漸進戦略〜実害最少の戦略(1) 5.4 失敗・実害への対処〜実害最少の戦略(2) 6章 組織における技術知と情報〜情報伝達の難しさ〜 6.1 事故に繋がったミスの事例 6.2 技術と情報 6.3 組織的な技術活動 7章 安全の理論〜危険なモノを扱う技術の方法論〜 7.1 深層防護の失敗とスイスチーズ・モデル 7.2 安全の理論 7.3 リスクアセスメント 7.4 安全への早期是正戦略 7.5 安全の妥当性確認〜ハインリッヒの法則 8章 事実と価値〜正しい判断の条件〜 8.1 説得 8.2 客観的評価を誤らせるもの 8.3 独善の落とし穴 9章 技術の専門職という立場〜技術者の生きる世界〜 9.1 人間関係の中の技術者 9.2 同業者への悪影響 10 章 誠実な仕事〜どこに価値の基準をおくべきか〜 10.1 誠実性〜技術的良心に従う 10.2 他者との関わり 10.3 公衆優先原則 11 章 義務と同意・説明責任〜人工物環境を変える行為者の責任〜 11.1 対人での倫理 11.2 同意の効力 11.3 説明責任 12 章 気持ちに寄り添う〜透明性の確保、安心、技術と法〜 12.1 倫理性の諸テスト 12.2 他者の立場になって評価する難しさ 12.3 透明性 12.4 倫理と法の関係 13 章 倫理問題の解決〜倫理問題の性質と構造〜 13.1 争点 13.2 倫理問題の構造 13.3 倫理問題の解決 13.4 倫理的行動の確実な実行 14 章 現代的な課題〜情報倫理・環境倫理・生命倫理〜 14.1 高度科学技術社会の三つの問題領域 14.2 高度情報化社会(デジタル・ネットワーク社会)の諸問題 14.3 有限な地球にまつわる諸問題 14.4 生命倫理 15 章 技術専門知の役割〜専門性の役割と限界の自覚〜 15.1 真善美と美徳・役割責任 15.2 専門家の二つの役割 15.3 リスク社会と技術者の役割 15.4 社会の中でのアクション おわりに〜社会の中で生きていくこと <資料集>