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トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち
(2019/01/11)1892年にアメリカで発明されたトラクターは、直接土を耕す苦役から人類を解放し、穀物の大量生産を可能にした。文明のシンボルともなったトラクターは、アメリカでは量産によって、ソ連・ナチ・ドイツ、中国では国策によって広まり、世界中に普及する。だが、化学肥料の使用、土地の圧縮、多額のローンなど新たな問題を生み出す。本書は、一つの農業用の“機械”が、人類に何をもたらしたのか、日本での特異な発展にも触れながら、農民、国家、社会を通して描く。 ●目次 まえがき 第1章 誕 生ーー二〇世紀初頭、革新主義時代のなかで 1 トラクターとは何か 2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期 3 夜明けーーJ・フローリッチの発明 第2章 トラクター王国アメリカーー量産体制の確立 1 巨人フォードの進出ーーシェア77%の獲得 2 専業メーカーの逆襲ーー機能性と安定性の進化 3 農民たちの憧れと憎悪ーー馬への未練 第3章 革命と戦争の牽引ーーソ独英での展開 1 レーニンの空想、スターリンの実行 2 「鉄の馬」の革命ーーソ連の農民たちの敵意 3 フォルクストラクターーーナチス・ドイツの構想 4 二つの世界大戦下のトラクター 第4章 冷戦時代の飛躍と限界ーー各国の諸相 1 市場の飽和と巨大化ーー斜陽のアメリカ 2 東側諸国での浸透ーーソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム 3 「鉄牛」の革命ーー新中国での展開 4 開発のなかのトラクターーーイタリア、ガーナ、イラン 第5章 日本のトラクターーー後進国から先進国へ 1 黎 明ーー私営農場での導入、国産化の要請 2 満洲国の「春の夢」 3 歩行型開発の悪戦苦闘ーー藤井康弘と米原清男 4 機械化・反機械化論争 5 日本企業の席巻ーークボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機 終 章 機械が変えた歴史の土壌