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天皇製民主主義の根本問題 第2巻

天皇製民主主義の根本問題 第2巻

(1)
三恵社
2017/10/06
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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 21世紀における現代天皇制は,どこに向かってその指針をとればいいのか? 本書『天皇製民主主義の根本問題 第II巻-敗戦・日本国憲法・天皇メッセージ・安保体制・「3・11」-』は,最近でも生前退位問題などで,なにかと話題にされてきた天皇制度のこれからを考察している。 本書は,アメリカに政治本質的には管制されているかのような「日本国の現状」を,天皇・天皇制の問題を基礎に据えて深耕する。安倍晋三首相は,敗戦したこの国の現状を「戦後レジーム」から脱却させたいと熱望しているけれども,対米従属の実態にある日本の政治・経済が真に独立するには,なお実現困難な状態に留め置かれている。日本国憲法の改定議論では,昭和天皇裕仁による「天皇メッセージ1947年9月」が,実質的にはいまだに大きな制約要因である。 日米安保体制はそもそも,敗戦後の日本を占領・支配してきたアメリカの意向に迎合した「昭和天皇の意思」にもかなっていた軍事同盟関係である。それゆえ,これを変革しようにも一朝一夕にはいくわけがない。現に敗戦後71年が経過しても,在日米軍基地はアメリカ本土よりも使い勝手のよい軍用基地として,大いに活用されている。その代表が沖縄県の基地群である。他方で原発問題は「3・11」を契機に方向転換の好機を与えられてはいたものの,結局元の木阿弥に戻りつつある。「基地の問題」と「原発の問題」との組みあわせは,日本にとって観れば,いわばシャムの双生児である敗戦後史的な重荷を意味する。かつて中央大学商学部の有力教員だった経営学者岩尾裕純はこういっていた。「日本的経営は社会科学的研究の宝庫かもしれない」と。つまり,日本的経営の奥座敷にも天皇・天皇制という王朝制度が控えている。日本経済新聞の社会欄にはいつも叙位(ただし物故者に対する)がベタ記事で漏れなく報道される。この死者に対する皇室観に基づく社会秩序価値観の授与が,なにを含意するかは贅言するまでもない。 要は,天皇・天皇制の現状は今後においても継続されていくのか。憲法第9条の前に必置されているのが憲法第1条以下の天皇条項である。「戦後レジーム」からの脱却とは,いったいなにを「意味していた」のか。天皇家はその永い伝統に則して古都に里帰りするのが,もっとも幸せな生活を再得するための最上策になりうるのではないか(憲法学者長尾龍一の指摘)。鉄道会社が旅行に誘う宣伝文句にも,「そうだ京都に行こう! 」という標語があったが,いかにも示唆に富んでいる。そもそも,昭和天皇は敗戦後における政治過程に対して,「象徴天皇」となった立場から介入していた。しかし,天皇はいっさい責任を負えないにもかかわらず,高度な政治問題に対して,それも政権次元でもいかなる議論も深めていない問題で,みずからの見解を占領の最高責任者に披瀝した。その行為は無責任の誹りを免れえない(豊下楢彦の批判)。天皇裕仁の政治史的な解明には裏史・野史・外史的な研究が有用である。

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