水銀、この美しい毒に囚われた二人の青年の数奇な運命ーー 昭和13年、鉱山技師の那須野寿一は、北海道東部の山奥で、巨大な水銀鉱床と地図にない集落を発見する。〈フレシラ〉という名のその集落には、ある秘密を抱えた一族が暮らしていたーー。 フレシラの鉱夫となった一族の青年アシヤ。寿一の息子で、水銀に魅せられた源一。太平洋戦争、朝鮮戦争特需、水俣病の公害問題……昭和の動乱に翻弄された二人の青年の、数奇で壮絶な生き様を描く！ 【目次】 第一章　赤い岩　ー昭和13年 第二章　水飲みたち　ー昭和17年 第三章　不死身の鉱夫　ー昭和18年 第四章　冷たい山　ー昭和24年 第五章　ある母子　ー昭和26年 第六章　人間の血　ー昭和34年 第七章　湖底　ー昭和38年 第八章　飛ばない鳥　ー昭和39年 第九章　きらめく水のほとり　ー昭和43年

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