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「ビックリハウス」と政治関心の戦後史

「ビックリハウス」と政治関心の戦後史

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晶文社
2024/07/25
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ほんとうに若者たちは政治に無関心なのか? 伝説的サブカル雑誌から「若者の政治離れ」の源流に迫る。 「政治に関心がない」とされがちな若者の第一世代である「しらけ世代」。だが、彼らはほんとうに政治や社会運動に関心がなかったのか? そして、なぜ現在に至るまで非政治的だとみなされているのか? 糸井重里、橋本治が編集に参加し、YMOやタモリもたびたび登場した伝説的サブカルチャー雑誌『ビックリハウス』 (1974ー85)から、「若者」たちの心のうちと彼らの“運動”の実態、その意図せざる帰結を実証的に明らかにする。 各メディアで活躍する社会学の新鋭が「若者の政治離れ」の源流に迫る渾身の一冊。 ◉目次 『ビックリハウス』ギャラリー はじめに **第1部 日本人は政治と社会運動に背を向けたのか?ーー問題意識・先行研究・方法と事例 1 消費社会と私生活主義は日本人を政治から遠ざけたのか?ーー問題意識** 1ー1 消費社会と私生活主義 1ー2 六〇ー八〇年代における社会意識と政治参加の動態 1ー3 私生活主義と政治への忌避を代表する存在としての「若者」 1ー4 本書の構成 2 「雑誌の時代」と『ビックリハウス』ーー先行研究 2ー1 なぜ雑誌なのかーー読者共同体の緊密なコミュニケーション 2ー2 私生活と公的関心の入り交じる場としてのサブカルチャー雑誌ーー『面白半分』『話の特集』『宝島』 2ー3 政治性・対抗性を「見過ごされた」サブカルチャー雑誌『ビックリハウス』 3 事例、方法、分析視角 3ー1 事例ーー雑誌『ビックリハウス』 3ー2 方法ーー雑誌の計量テキスト分析と内容分析 3ー3 分析視角ーー戦争、女性、ロック **第2部 戦後社会の価値変容ーー戦争経験、ジェンダー、ロックの視点から 4 語りの解放と継承のずれーー「戦後」から遠く離れて** 4ー1 七〇年代以降の反戦・平和運動と方法をめぐる是非 4ー2 『ビックリハウス』における戦争の語り 4ー3 「戦後」から遠く離れて 5 女性解放ーー運動がなしえた個人の解放、解放された個人への抑圧としての運動 5ー1 同時代の雑誌上における女性表象の両義性 5ー2 「個の解放」への真摯さと「性の解放」の挫折 5ー3 解放の過程にある女性たち 6 「論争」から「私的」へーーみんなで語るそれぞれのロック 6ー1 『宝島』と対抗文化としてのロック 6ー2 『ビックリハウス』はロックをどう「論争」したか 6ー3 「人それぞれ」の読者・編集者共同体 **第3部 みんなの正しさという古い建前、個人の本音という新しい正義 7 社会運動・政治参加ーー規範と教条主義に対する忌避・回避** 7ー1 政治への関与を辞さないサブカル雑誌 7ー2 『ビックリハウス』の政治関心 7ー3 「べき」への忌避、「主体性」の尊重、「共同体」の隘路 8 「差別」が率直さの表明から不謹慎さを競うゲームになるまで 8ー1 マイノリティへの本音という対抗の実践 8ー2 『ビックリハウス』におけるマイノリティと差別 8ー3 表現規制へのカウンターから過激さの競争へ 9 自主的で主体的な参加の結果、「政治に背を向けた」共同体 9ー1 若者の生の声としての『ビックリハウス』 9ー2 若者の主体性を歓迎する共同体としての『ビックリハウス』 9ー3 「書くこと」がもたらした解放とその行方 10 意図せざる結果への小路ーー考察と結論 10ー1 本書の知見がもつ普遍性 10ー2 時代論・世代論への反論 10ー3 「人それぞれ」を超えて おわりに 参考文献 付録 『ビックリハウス』頻出語リスト

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