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地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東(3)京成・京急・相鉄
(2017/07/28)【電子書籍化にあたり、地図・図版をカラー化しました】 鉄道や軌道の許認可に関する戦前の公文書、鉄道省文書の一枚一枚からは、事業成功を夢みる鉄道会社の担当者や地域の期待と合わせて、建設反対運動や戦時下で資材不足に喘ぐ姿も浮かび上がる。そこにはふつうの会社員や公務員、そして一般の沿線住民の声があふれている。 成田山新勝寺の参拝電車として計画された京成電鉄は、東京・上野への乗り入れを目指すなか、どこに駅を設置し、路線をどこに通すかで、参道の商店や地元町内会の反対運動への対応を迫られた。 関東初の電車としてスタートした京浜急行電鉄は、関東大震災で東京を上回る家屋が倒壊した横浜への乗り入れが大きな課題となる。また、戦時下の対日石油禁輸の影響で沿線の駅をいくつも廃止する一方で、軍関係の人員輸送のため新たな路線を建設していく。 神中鉄道、のちの相模鉄道は関東大震災の「復興特需」で砂利の採取・輸送事業が隆盛を極めたこの時代に、砂利の需要地である横浜までの延伸を目指す。その後は市街地が郊外に広がり、沿線の工場が激増していくなかで砂利より乗客が主となっていく。 関東の大手私鉄の歩みを、各時代の地形図と合わせて眺めることで、近代日本の姿が垣間見えてくる。関東編全三巻完結。
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