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ライト父子伝
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新刊は2025年3月4日ごろに発売されそうです(通常よりも遅れています...)
最新刊は2024年07月04日に発売されました
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●主題 ライト兄弟は活動開始からわずか4年半で初の有人動力飛行機の開発を成功させた。なぜ兄弟はほとんど迷走することなく、これほど早く飛躍的進歩を遂げられたのか。 他方、実用的飛行機を完成させた後、兄弟は飛行科学の探究に専念することを望みながら、技術開発をほとんど行わなくなった。代わりに、次々と特許訴訟を仕掛けていった。法廷闘争は長期化し、この間に兄弟のライト社は技術開発競争に負けた。なぜ法廷闘争にエネルギーを費やしてしまったのか。これには、兄弟の父からの教えが影響していた。 ●序文 白黒つかない灰色を認めることができない男、それがライト兄弟の父ミルトン司教だった。交渉や妥協とは無縁。教会教義の変更など全く認められない。彼は同胞教会を分裂させ、10年におよぶ法廷闘争を行った。ミルトンはそうした意志の強さと信念への献身を子供たちへ引き渡した。そして、「人生のなかで頼れるのは、家族の絆の強さしかない」と教えた。 ライト兄弟は、父が敷いた信条を人生の基盤としていた。二人のどちらもが生涯結婚せず、親友もなく、自分の家族よりも信頼できる支持者もいなかった。世間はこうした二人を見て、ある種の共同体だと考えた。それがライト兄弟だ。(本書プロローグより) ●注記 1.本書は、"The Bishop's Boys: A Life of Wilbur and Orville Wright"の全訳版『ライト父子伝: 初の航空技師ライト兄弟の人生』から、上記の主題に直接的に関係しない40%の内容を削減して読みやすくした短縮版です。 2.削減した主な内容は、父ミルトンに関する教会関連の仔細、20世紀初頭のアメリカ政治・社会面の背景、ライト興行飛行チームの活動、ホワイトヘッドによる世界初飛行の主張などです。 4.削減した部分に含まれる図番号、写真番号、参考文献番号は欠番のまま残しております。 ●目次 プロローグ オハイオ州ハフマンプレーリー 第1部 家族 第1章 ライト家 「この子(ミルトン)の人生が長寿となり、あなたやこの子自身を、そしてこの国をも祝福する人生になりますように」 第2章 ミルトンとスーザン スーザンは自分で子供たちのおもちゃを作っていた。男の子たちは機械について質問がある時や助けが欲しい時には、母の所にやって来た。ミルトンはまっすぐに釘を打つことも満足にできない男だったからだ。 第3章 説教師の子供たち 「親愛なるお父さんへ。今日、お父さんからの手紙を受け取りました。(オービル)」ライト家の子供たちは幼い頃からきちんとした明瞭な手紙の書き方を習っていた。 第4章 前進あるのみ オービルが父からの贈り物(おもちゃのヘリコプター)を自分の人生のなかで大きな出来事だったと考えていたことに、疑問の余地はない。 第5章 試練の時代 「ウィルバーはまだコックとメイドをやっているのか。」事故は明らかにウィルバーにとって人生の分かれ目であった。これ以降、うつ病と引きこもりの時期が始まった。 第6章 絆 ミルトンと同様に、兄弟妹も人間の堕落は本質的であると信じるようになった。自宅の玄関から一歩でも外に出た世界は、信用ならない男と女で溢れかえっている。 第7章 兄弟の事業 「オービルと喧嘩をするは実にいい。本当にオービルは喧嘩好きな男だ。」問題が解明するまで議論する兄弟の能力が、彼らにとって非常に有益なものとなっていく。 第8章 二人で作った自転車 「自転車に乗るにはバランスの取り方を身につける必要があり、空を飛ぶにもバランスの取り方を身につける必要がある。」(『航空年鑑』編集者のミーンズ) 第9章 家庭生活 「放っておかれると、地震でも発生して、もっと好適な場所に投げ出されない限りは、生計を立てるだけで精一杯の生活を送ることになるでしょう」。1901年の春、ついに今、「地震」がすでに起こっていることを自覚し始める。自転車店の2階では、ウィルバーとオービルが2機目のグライダー製作に没頭している。 第2部 翼 第10章 飛行機の年 アレクサンダー・グラハム・ベルが、動力飛行が間近に迫っていると考えているのなら、おそらくこの話は大笑いしているような場合ではない。 1896年5月5日〜6日 バージニア州クアンティコ 1896年8月2日〜10日 ドイツのリノフ丘陵 第11章 オクターブ・シャヌート シャヌートは若者の後押しをすることの重要性を常に認識していた。 第12章 心のプロペラ 自転車と同じように意図的に傾けて、すなわち、ロール運動をさせて、遙かに急だが完全に操縦できている旋回に入れる方がどれほど素晴らしくかつ安全であろうか。 第13章 「気むずかしい馬の乗り方」 「学ぶことを本当に望んでいるならば、飛行機に乗って、実際の実験によって要領を掴んでおく必要があります。」(ウィルバー) 第14章 「キティホーク、おおキティ」 「ここへ来て飛行機に挑戦することを決意していただけるなら、私はできる限りのことをさせていただきます。私たちの仲間と交われば、おもてなしを感じていただけるでしょう。」(ビル・テイト) 第15章 「今後、千年は・・・」 意識的にか無意識のうちに、ライト兄弟は自分たちの思考を研ぎ澄ます手段としてシャヌートを利用していた。 第16章 風洞からみた景色 「ウィルバーと私は興味を持ったことを知りたくて、朝が来るのを待てなかった。なんという幸せだろう。」(オービル) 第17章 全ての疑問は解かれた 「潮風が吹く砂地に降りたら、兄たちはもう大丈夫でしょう。でも、来週の今頃には(私は)ひとりぼっちで寂しくなって・・・。」(キャサリン) 第18章 ヨーロッパがライト兄弟の存在に気づく 「議論が長くなると、馬鹿げたことにいつの間にか互いの主張が逆になっていて、しかも議論が始まった時から意見の一致が何もない。」(オービル) 第19章 成功 「シャヌートは、私たちの飛行機操縦が優れているのであって、この飛行機が優れているとは考えていないようです。しかし、私たちの考えは全く逆です。」(オービル) 第20章 草原の時期 「ライト兄弟は秘密主義的な傾向が強くなった。」(シャヌート) 第3部 世界 第21章 「実用的飛行機」 飛行機の販売契約が完了するまで、可能な限りその飛行機について明かさない。その日が来るまで、これ以上の飛行はない。 第22章 「飛行機か、それともホラ吹きか」 「(イギリス)戦争省は、貴殿の発明品が主張通りに飛行することを確信できない限り、交渉に就くことはできないと言っているのに対し、貴殿は、戦争省が契約を結ぶまで、飛行を見せることを望まないと言っています。この結果、膠着状態が生じています。」(ワシントン大使館付イギリス武官) 第23章 ライバルたちの翼 「(ライト兄弟は)飛んだのかもしれないが、彼らの報告にはどれも信頼性がない。」(サントス=デュモン) 第24章 富と名声 「動力飛行での最初の信頼できる実験はフランスで行われた。そして、フランスで進歩するだろう。」(アルシュデック) 第25章 再びキティホークへ 「こんなに突然に完全な飛行機が現れるとは、全く考えられない。」(ミーンズ) 第26章 初公開 ウィルバーは4回大きくカーブを描き、その度に深くバンクさせて旋回に入れていた。・・・それは、見た人たちの経験を遙かに超えていた。 第27章 フォートマイヤー 「オービルが負傷した。オービルは5時に被災。セルフリッジは死亡。」 第28章 威風堂々 ニューヨーク港に入ると、小型ボートの大集団が兄弟を待っていた。・・・他の船では、歓声を上げて手を振る乗客が甲板に溢れ、敬礼の代わりに船の旗を半下していた。 第29章 ライト社 ライト兄弟はもう我慢ならなかった。カーチスは警告を無視していた。彼は兄弟の特許の使用について交渉するのでもなく、飛行機を売ることに邁進している。 第30章 政治と特許 「他の人が飛ぶことができないように特許訴訟を起こすとは。友よ、あなた方のいつもの的確な判断力は、大きな財産を目の前にして、欲望によってたわんでしまったのではないか。」(シャヌート) 第31章 「詐欺師ゲーム」 ライト興行飛行チームに参加した9人のうち6人が墜落で死亡した。 第32章 「短い人生・・・」 「影響力に溢れる短い人生であった。・・・非常な謙虚さを持ち、正義を明確に理解して、断固として追求する。彼は終生、これを貫いた。」(父ミルトン) 第33章 一つの時代の終わり 「今の有り様のライト社では、近い将来もほとんど見通せない。」(ローニング) 第34章 一人で歩む オービルはキャサリンとの関係を断ってしまった。この出来事ほど、オービルの心のなかで家族の結束と信頼が重要であったことを明確に示す事件は他にない。 第35章 スミソニアンとの確執 「この古い飛行機が国を去らなければならないことを残念に思って下さり、感謝の念に堪えません。しかし、私の気持ちはもっと残念でなりません。」(オービル) 第36章 人と記念碑と 「このようなことが起こるのは言語道断だ。まずイギリスが初の飛行機を持って行き、今度はヘンリー・フォードが実物の作業場を持って行くとは。」(デイトン市民) 第37章 最終章 ライト兄弟の甥であるミルトン・ライトが前に出て、世界初の飛行機を国立博物館へ贈呈した。ライトフライヤーが帰ってきた。 原注 参考文献 索引 【著者紹介】 トム・D・クラウチ(Tom D. Crouch) オハイオ大学学士卒業(歴史学、1962年)。マイアミ大学より修士号(歴史学、1968年)、オハイオ州立大学よりPhD(歴史学、1976年)を取得。ライト州立大学より人道的文学名誉博士号(2001年)を授与される。1974年からスミソニアン協会に参加し、国立航空宇宙博物館と国立アメリカ歴史博物館の両方で学芸員と管理職を務める。2000年にクリントン大統領の任命によりファースト・フライト100周年連邦諮問委員会の委員長を務める。2018年に退職し、現在はスミソニアン協会名誉学芸員である。1989年に本書『The Bishop's Boys: A Life of Wilbur and Orville Wright』でクリストファー賞を受賞した。 【訳者紹介】 織田 剛(おだ つよし) 京都大学学士卒業(機械工学、1990年)。京都大学大学院より修士号(工学、1992年)、京都工芸繊維大学大学院より博士号(工学、2003年)を取得。株式会社神戸製鋼所に勤務後、現在は合同会社織田春風堂代表社員。京大体育会グライダー部OB。知的財産翻訳検定英文和訳1級(機械工学)。他にも翻訳書に『空気力学の歴史』『飛行機技術の歴史』(いずれも京都大学学術出版会)がある。

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