スペイン美術のスペイン的特質を解き明かす、通史としてのスペイン美術史の試み 先史時代のアルタミラ洞窟壁画から、ローマ時代、イスラームとレコンキスタの時代、絶対王政の時代を経て、ナポレオン支配とスペイン内戦、そして≪ゲルニカ≫の帰還まで。スペインという国の歴史をたどりつつ、時代時代の美術の特質を浮き彫りにする。「天才」に代弁させることで事足れりとしてきたスペイン美術史を書き換え、スペインらしさの源泉を探る。（一部カラーあり） 序章　スペイン美術への誘い──雑多なるものの融合と変貌、積層する視覚経験　　大高保二郎 １章　古代・中世スペインの美術──先史時代から一五世紀まで　　久米順子 ２章　近世スペインの美術　　松原典子 ３章　バロックの世紀からブルボンの時代へ　　豊田唯 ４章　一九世紀スペインの美術──新古典主義から近代主義へ　　久米順子 ５章　外へ、内へ 二〇世紀スペイン美術──興隆から断絶、そして再生へ　　松田健児 あとがき

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