
柳与志夫
(3)最新刊
デジタルアーカイブ概論
(2025/06/25)東京大学大学院横断の授業「デジタルアーカイブ原論」の講義内容を基に、14名の専門家によってデジタルアーカイブの諸分野を広くカバー。2022年度の博物館法改正によって、博物館の事業に「デジタル・アーカイブ」が法的に位置づけられ、大学での講義、企業人の現状認識に最適な一冊。時と場所を選ばず学べる電子書籍にてリリース。 はじめに 「デジタルアーカイブ」という言葉が誕生して四半世紀以上が経過し、歴史的・文化的資料を扱う博物館・図書館・公文書館や大学等学術機関のみならず、一般社会で、その 言葉を聞かない日はない、と言って良いほど人口に膾炙するようになっている。 近年の主要な動きを見ても、2017年にデジタルアーカイブ推進コンソーシアム(関連企業団体)とデジタルアーカイブ学会が設立され、2020年8月に「我が国が保有する様々な分野のコンテンツのメタデータを検索・閲覧・活用できるプラットフォーム」としてのジャパンサーチが正式公開、2022年度の博物館法改正によって博物館の事業に「デジタル・アーカイブ」が法的に位置づけられるなど、「デジタルアーカイブ」は大きな社会的潮流となりつつある。このように、広く認知されるようになったデジタルアーカイブであるが、大学での講義のため、また大学生や企業人の自修のための適切なテキストが少ない状態が続いてきた。 本書は、これらの状況を踏まえて企画された。テキストのもとになったのは、2020年度に東京大学大学院情報学環で開講された大学院横断授業「デジタルアーカイブ原論」である。この講義は、2015年11月から2021年10月まで東京大学大学院情報学環に設置されていたDNP学術電子コンテンツ研究寄付講座によって行われたもので、14コマをオムニバス形式で展開するものであった。この「デジタルアーカイブ原論」の講義資料をもとに、担当講師とこの機会に参加した執筆陣によって、最新の状況も加えつつ執筆されたものである。(中略) 本書を起点に、大学の講義や学生・院生間で、また図書館や企業の現場でデジタルアーカイブをめぐる熱い議論が交わされることを期待する。