最新刊
ビジネス大学30分 問題解決
(2015/06/14)本格的なビジネス理論をセミナー形式で学ぶ【ビジネス大学30分シリーズ】 第9弾は「問題解決」 ■対象とする読者 本書は、日々、大小の“問題”に直面しているビジネスパーソンを読者として想定しているが、 ビジネス以外(たとえば学校のような公共機関やNPOなど)で問題を解決したいと考えている方にも役立つだろう。 実際、ケーススタディではビジネス上の問題解決だけでなく、日常生活でよく見られるような場面も取り上げている。 ■問題解決とは何か? そもそも問題とは何だろう。一般に問題というと、そこには何らかの困難があり、多くの場合はネガティブ(否定的)なニュアンスが含まれている。 しかし、実はポジティブな問題も存在する。たとえば、「目標の達成」に必要なものは、達成という“問題”をクリアするための解決策である。 このように、問題は必ずしも否定的なニュアンスに限定されない。 問題を構造的にとらえてみると、その正体は「現状とあるべき姿のギャップ」であることがわかる。 昇給したい、美味しいものが食べたい、旅行に行きたいといったものは、すべて「それができていない」という問題を抱えている。 つまり、あくまで問題とは相対的な概念であり、状況によってとらえ方は異なる。そう考えると、私たちは常に何かしらの問題を抱えている。 この「ギャップを埋める作業」こそが問題解決であり、その有効な方法を身に付けたいという“問題”を抱える人たちのために本書は書かれている。 ■なぜ問題解決か? 「ビジネスとは、日々、問題解決の連続である」 こんな言葉をみなさんも聞いた覚えはないだろうか。 確かに、世の中を見渡してみても、「問題がない会社」あるいは「問題のない状態」などおそらくないだろう。 通常、ビジネスにおける問題解決には「自社の問題解決」と「顧客の問題解決」の2つがある。 つまり、企業に勤めるほとんどのビジネスパーソンが、自社が抱える問題を解決するための取り組みに何らかの形で参画し、あるいは顧客の問題を解決している。 仮に「わが社は100%理想的な状態にある」と思っていたとしても、その会社にかかわるすべての人がそう確信している可能性は極めてゼロに近い。 もし仮にありえたとしても、すべての企業は次の2つの理由によって、何らかの“問題”を抱えていることになる。 ●事業環境は絶えず変化しているので、ある瞬間に理想的な状態だったとしても、将来においてそうあり続けられる保証はない。 ●企業が満足させなければならないステークホルダー(顧客、株主、従業員など)の欲求は果てしない。 見方を変えれば、みなさんの会社や仕事は「それを必要とするステークホルダーが抱える何らかの問題を永続的に解決するためにある」と考えることもできる。 たとえば、食品業界や住宅業界などであれば、「安心かつ快適な生活の維持」という問題を解決するための商品を提供し、運輸業界ならば、「より早く安全に人や物を移動する」というサービスの提供により問題を解決している。 従って、問題解決のスキルを身に付けるということは、自分のビジネスの質を上げることであり、あなた自身の価値を高めるということにもつながるのである。 ところが、私たちは個別の問題に適宜対処しているにもかかわらず、「すべての問題に共通する取り組み方の手順」については、驚くほど知らないものだ。 学校で教えられたこともなければ、上司が手取り足取り教えてくれるわけでもない。そもそも、「そんなものがあることさえ知らない」という人がいるかもしれない。 それゆえ本書は、問題全般に対する取り組みについて、その基本的な考え方を提供することを目的としている。 ≪目次≫ まえがき ●第1章 問題解決のステップ 1 問題の設定1 ケーススタディ1 【column】社内プロトコル 2 問題の設定2 ケーススタディ2 【column】ビジネス新大陸とマダガスカル 3 原因の追究 ケーススタディ3 【column】デスパレートな妻たち 4 解決策の立案 ケーススタディ4 【column】キャリアを考える ●第2章 問題解決のテクニック❶ 質の向上 1 仮説思考 ケーススタディ1 【column】ブラインドデート 2 SIS ケーススタディ2 【column】ストップ温暖化か、ポスト温暖化か 3 発散と収束 ケーススタディ3 【column】ゼロベース思考 4 ブレーンストーミング ケーススタディ4 【column】KJ法 ●第3章 問題解決のテクニック➋ 形式化 1 フレームワーク ケーススタディ1 【column】思考技術の体系とは 2 ロジックツリー ケーススタディ2 【column】論理的に伝えるということ 3 ピラミッドストラクチャー ケーススタディ3 【column】起承転結 vs. ピラミッドストラクチャー 4 コンプリート・メッセージ ケーススタディ4 【column】マジックナンバー