榎園豊治
(5)最新刊
野菜料理大観 下巻
(2024/05/24)※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在、様々な理由で、動物性食材不使用の料理を選択する人が急激に増えてきました。 それは人々の生き方に関わり、アイデンティティの一部ともなっています。 少し前までは、菜食は強調すべきことだったのですが、デジタルネイティブ以降の世代にはその必要はないでしょう。 カロリーオフ、グルテンフリー、乳製品フリー、低糖質などと一緒にビーガンの食品が生まれた時から存在していたのですから。 こうした社会と並行して、料理人が進化していくことは必須であり、 新世代の食通のために美味しい野菜料理を提供することが重要になります。 あえて「美味しい」という言葉を使いました。ビーガンやベジタリアン向けに提供・提案されてきた従来の料理は、 全てとは言いませんが、私にとっては納得のいくものではありませんでした。味について行き詰まりを感じていたのです。 これまで、ビーガンやベジタリアンが諦めていた望みをかなえてあげたい。 食材の出自や成分、栄養に注視するのと同じように、味に関しても一歩も譲らない料理を提案します。 動物性の食材を使った場合と同じような快感をもたらす料理です。 野菜料理の位置付けは、もはや脇役ではありません。また、他の料理と同様に美味しければ、区別されるべきではありません。 美味しく作るにはこれまでとは違った新しいアプローチが不可欠なように思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。 ビーガンやベジタリアン向けのものを作ろうと意識し過ぎると、逆に道を誤ります。何も騒ぎ立てる必要などないのです。 この本は野菜料理を美味しい料理として定義し直す料理集です。