西川純
(61)最新刊
部活動顧問の断り方
(2022/12/27)部活の在り方を通して教師の幸せを一緒に考えましょう! ■本書の概要 中学校の教員以外を選択するダントツの理由、それは“ブラック勤務”! その中でも最も負担がかかるのが“部活動の顧問”です。本書は、部活動顧問をどうやって断ればいいか、断るとどうなるのか、断れなかったらどうするのか、を具体的な事例を通して紹介しています。 ■本書からわかること 校長先生は命令できない 教育の内容・方法に関して、校長先生は広範囲な権限を持っています。故に、部活動顧問の要請が校長から来たときに、教師は断ることができないと思われている先生も多いかもしれません。でも、それは誤解です。法または教育委員会規則で定められているものは指示・命令をすることができますが、そうでないことは指示・命令ではなく指導・助言をするにとどまります。 つまり、本人との合意がなく、本務である授業より本務外の部活指導を優先させることは合理性に欠けているので、労働契約法第9条、第10条で禁止されている労働条件の不利益変更であり、管理職は命令できないのです。 具体的な断り方 では、どのように断ればよいのでしょうか。下記、ほんの一例です。 あなた: すみません、私のためにお時間を取っていただいて。私、人の話を記憶するのが下手なので、よく失敗して迷惑をかけてしまいます。だから、録音させてください。記録されては困ることを話すわけではないでしょう?(満面の笑顔) 校 長: 本校では「全員一つは顧問を持つ」という内規がありますので、先生にも「お 願い」したい。 あなた:え? 勤務時間外、土日も含めた部活指導ですか? 校 長:そうです。 あなた: え? あ! これってお願いということですよね? 超勤4項目をご存じの校長先生が、勤務時間外、土日の勤務を命令するわけないですよね(笑顔)。 校 長:(かなり慌てて)そういう意味でのお願いではありません。 あなた:では、勤務時間外、土日を含めない、部活指導ですね。 校 長:はい。 成功した先生も失敗した先生も 断るときの言い方やタイミングはいろいろあるでしょう。どちらにせよ、交渉相手は校長先生だけです。 本書では、実際に部活動顧問を断ろうとした先生方のエピソードがふんだんに載っています。家族のため、生徒のため、自分のために、どうやって断ってきたのか、あるいは断れなかったのか、具体的なエピソードとともに詳述しています。 また、これからの部活動はどうあるべきかの提言も記載されています。 部活動が原因で教師を目指すことにためらわれている方、教師を続けることに迷われている方は、一度本書を読んでみてください。そして、一緒に教師の幸せを考え、実現していきましょう! ■こんな人におすすめ 部活動の顧問になりたくなくて困っている人 中学校の先生を続けることに悩まれている人