井上祐子
(2)最新刊
秘蔵写真200枚でたどるアジア・太平洋戦争 東方社が写した日本と大東亜共栄圏
(2020/08/31)戦後73年間眠り続けていた200枚の写真を初公開!戦時下の日本とはどういう場だったのか。 東方社は陸軍参謀本部の傘下で、対外向けグラフ雑誌『FRONT』など写真宣伝物を制作していた団体である。 東方社のカメラマンが、戦時期に国内および海外で撮影した写真を中心に、アジア・太平洋戦争と戦時期の内外の社会を振り返る。 陽の目を見ることなく眠っていた写真2万点のなかから200点を精選し、詳細な解説とともに紹介。 陸軍参謀本部傘下の写真工房〈東方社〉の実像に迫るとともに、当時の日本・中国・東南アジア各国の変動していく社会をとらえる。 カメラマンたちの視線をとおして見つめる戦争と社会。 【目次】 第1部 国内編 第1章 陸戦部隊と航空 第2章 近代都市東京の街と人々 第3章 戦時体制と大東亜共栄圏の前面化 第4章 破綻へ向かう日本 第2部 東南アジア編 第1章 1942年光墨弘マラヤ・シンガポール取材 第2章 1943年菊池俊吉・関口満紀フィリピン取材 第3章 1944年大木実・林重男東南アジア取材 第3部 中国編 第1章 1943年林重男華北地方取材 第2章 1944年関口満紀北京取材 第3章 1944ー45年別所弥八郎大陸打通作戦従軍取材 コラム 1東方社写真部のカメラマンたち 2濱谷浩の撮影ノートと東方社関係文書 3今泉武治の日記 4震天隊隊長青木哲郎のアルバム 5東方社写真の加工について 6文化社が撮影した戦後の写真 【著者】 井上祐子 1963年生れ。立命館大学国際関係研究科前期博士課程修了。現在、京都外国語大学非常勤講師、公益財団法人政治経済研究所主任研究員。専門は近現代日本の視覚メディア史。著書に『戦時グラフ雑誌の宣伝戦ー十五年戦争下の「日本」イメージー』(青弓社、2009年)、『日清・日露戦争と写真報道ー戦場を駆ける写真師たちー』(吉川弘文館、2012年)などがある。