
小山太郎
(3)最新刊
デザイン経営 各国に学ぶ企業価値を高める戦略
(2025/03/24)電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 どれほど消費者調査をしても、人々が気付いていない未来のニーズは掘り起こせない。 だが、デザインにはそれが可能だ。 本書は、「デザイン経営とは何か」を解説し、デザインプロジェクト中心の経営とは何かを描く。 イタリア、アメリカ、中国、韓国、北欧、そして日本の先進的な企業を紹介し、アパレル、インテリア、家電、自動車など、多様な事例から、デザイン経営の類型と特長を解説し、日本の進むべき道を提示する。 ■□■□■目次■□■□■ はじめに デザインが企業価値を高める さまざまな「デザイン経営」 デザインの3つの意味 第1章 デザイン経営とは何か 1 デザインとは何か ⒜ビジネス上の問題解決 ⒝最終製品の“かたち”の決定 ⒞工学的設計 2 デザイン経営の特徴 中心は最高デザイン経営者(CDO) 将来ビジョンを構想する 各国別の特徴 デザイン経営という思想の誕生と変遷 デザイン投資の経済効果 デザイン経営の研究対象 第2章 美しいかたちが良い眺めをもたらすーーイタリア 1 友人を迎え入れる場となったキッチンーーバルクッチーネの事例 キッチンデザインの3つの軸 美しい眺めのキッチン 自分仕様のキッチン 2 階層から解放されるためのファッションーーアルマーニの事例 ユーザーはドラマチックに振る舞う俳優 アルマーニテイストの確立 スケッチから見る特徴 3 市場調査に勝ったピニン・ファリーナーーフェラーリの事例 自動車のフォルムは未完成 フェラーリらしさとは 4 イタリアのデザインプロジェクトの全体像 モデラー・デザイナー・企業家の協業 ⒜リサーチ局面 ⒝商品コンセプトの決定 ⒞試作(かたちの決定) ⒟グッドテイストな商品の誕生 ⒠国際見本市への出展 第3章 IT技術でユーザーに寄り添った問題解決を行うーーアメリカ 1 EV専業・テスラのデザイン経営 デザインは各ブランドを分ける最後のフロンティア モデルSの開発 ピックアップトラックと長距離トラック 移動するリビングへ 2 トップダウンでデザイン経営を導入ーーIBMの事例 デザインプログラム局の創設 ユーザーインターフェースの統一 セキュリティ製品やAIにも 3 ミニマリズムの美学ーーアップルの事例 ジョブズ、ブルーナー、アイヴ iPhone の開発プロセス マルチタッチの優位性 大きくなりすぎたデザイン部門 第4章 工学的な設計でメイド・イン・チャイナを牽引するーー中国 1 マイクロ企業が牽引するデザイン経営ーーハイアールの事例 人単合一と市場連鎖(SST)管理システム Win-Win 付加価値計算書の事例 製品のライフサイクルのループを閉じる 2 空撮文化の創造ーーDJIの事例 エンジニアリング主導の空撮ジンバルの開発 エンジニアの確保 3 中国テイストの模索ーー奇瑞、吉利、長城汽車の事例 奇瑞のQQme 中国テイストを実現するピーター・ホーバリー 難しかったレディースカーが成立 第5章 デザイン重視のトップがグローバル競争に乗り出すーー韓国 1 自社の哲学を反映させるーーサムスン電子の事例 第1次デザイン革命宣言 第2次デザイン革命宣言と4つの目標 家電の布置によるデザインの違い “すっきり”とした見た目の実現 2 韓国初のデザイン研究所ーーLGエレクトロニクスの事例 見えないエアコン、消えるテレビ 1万3000パターンの床材 3 ファミリーフィーリングの構築ーー現代自動車グループの事例 シュライヤーによる起亜自動車のデザイン 現代自動車のテイスト 第6章 デザインプロジェクト中心の社風を創造するーー日本 1 「造形係長」のDNAーーホンダの事例 グッドデザインの審美眼 Honda e のデザイン 2 地中海の風ーーバルミューダの事例 テイストの2つの特徴 ファンタスティックなプラスチックの用法 空間ごとに異なる家電 3 子どもの可能性をクリエイトするーーファミリアの事例 ビジュアルプラットフォームの活用 社史に描かれた将来ビジョン 第7章 自然と共生するエコロジカルな人間中心主義のデザインーー北欧 1 バイオ・デザインの先駆けーーエレクトロラックスの事例 製品サービスシステムを導入した家電 ペットのような家電 社内のチェックはパス 2 民主的な家具ーーイケアの事例 イケアらしさの源泉 スタイルと価格のマトリックス 3 ケアの哲学ーーボルボの事例 乗員・歩行者・環境に対する配慮 ボルボらしさとは ソフトウェアで安全性を向上 終わりにーーデザイン経営の展望 日本が目指すデザイン経営とは デザイン企業家の使命 工業デザイナーの役割 うっとりする眺めを創るデザイン経営 幸福な人生を目指して あとがき 注 参考文献