城山三郎
(82)最新刊
創意に生きる 中京財界史
(2021/10/06)「豊田織機」、「トヨタ自動車」の豊田佐吉、喜一郎父子。 「ノリタケ」、「TOTO」、「INAX」、「日本ガイシ」など世界的セラミックス企業集団の源流となった日本陶器の森村市左衛門。 日本のバイオリンを世界品質に高めた「鈴木バイオリン」の鈴木政吉。 呉服業から「松坂屋」で知られる百貨店へと発展させた織田信長の小姓、蘭丸の子孫・伊藤家の伊藤守松。 味噌・醤油製造から財を築き、紡績、鉄道車両、電気、ガスと次々と事業を拡げた、「名古屋の渋沢栄一」こと奥田正香。 木曽川に日本初のダム式発電所「大井発電所」を建設し、大規模な水力発電開発を進めて「電力王」となった福沢桃介……。 江戸期以来の豪商と外来の商人が混ざり、特異な経済発展を遂げてきた名古屋を中心とする中京圏を舞台に、幕末から昭和初期にかけて、日本の実業界を創った男たちの物語。 本名の杉浦英一名義で1956年に刊行された幻のデビュー作新装版 目次 序 ●第一章 慶応年間 紅葉屋斬込み/伊藤家の商法/神札戦術 ●第二章 明治初年代 季節番頭/名古屋商人 ●第三章 明治十年代前半 銀行の誕生/さむらい商法/伸び行く人々(一)/伸び行く人々(二) ●第四章 明治十年代後半 デフレの波/和製と舶来 ●第五章 明治二十年代前半 電灯会社/長者番付/権力者/若き日々 ●第六章 明治二十年代後半 自転車/初対面/株と金融/三つの勢力/二人の新妻 ●第七章 明治三十年代前半 製?機/鉄道事業/時計三人男 ●第八章 明治三十年代後半 七宝と陶器/若者たち/御用商人/企業熱/三角同盟/滝系の挑戦 ●第九章 明治四十年代 取付さわぎ/電灯と瓦斯/新人登場/百貨店誕生/共進会/三人の発明家/桃介の乗込み/近代都市 ●第十章 大正元年ー三年間 返り咲き/稲永事件/大戦勃発と取付騒ぎ/焼打ち事件/桃介の人事(一)/桃介の人事(二) ●第十一章 大正四年ー八年間 電気製鋼/大番頭/土着派再建/老人と新人/電気と製鉄/米騒動/電政派/老後の奥田 ●第十二章 大正九年ー十五年間 パニック/政商と政争/市電誕生/日本のスズキ/二葉御殿/桜紙事件/政治と企業/製鋼事業/素人芝居/妙な菜食主義/橦木町?楽部/流血市会/震災と財界人/震災と松坂屋/外資導入/建築好き/図書館と学校/温情社長 ●第十三章 昭和二年ー七年間 その後の鬼検事/青木の外遊/奇抜な商法/豊田と児玉/豊田一族/明治銀行の崩壊/旭会/軍需景気兆す/宣伝の名人/定年制/二世時代へ/その後の福沢派 ●第十四章 結びに代えて その後の発展/中京財界の特色 あとがき/文庫版のためのあとがき/解説 楠木 建