最新刊
妖精頭脳
(2015/04/21)■内容紹介 GO-BANG'Sのボーカル、作詞、作曲家である森若香織が書いた初めての長編小説。20代、30代、40代がそれぞれ抱える悲しみのゴールを、見えない世界の中で見つけてゆく、ファンタジーとリアルのクロスオーバーゾーンをポップに描いた作品。 ■フリーライター水澤理恵子氏『妖精頭脳』レビュー あらゆるものに向ける森若香織のLOVEがいっぱい詰まった “妖精小説”。 森若香織が小説を書いたと聞いたとき、これは面白いに違いないと思った。GO-BANG'Sの音楽を知っている人なら誰もがそう思ったに違いない。可愛らしいけどお茶目なパンチをくらわす歌詞、ポップだけどパンクやロックであり続ける曲、そんなチャーミングなエッセンスが小説にも反映されてるはずだもの。ビンゴ! 小説の中で、森若の産み出す言葉はまるで歌のようにテンポよく流れ、音になって目や耳に飛び込んでくるかのようだ。 メインとなる三つのストーリー、それぞれが単独でだって鮮やかなのに、その三つが繋がり、それが四つめのエピソードに繋がったとき、目の前が開けたような何とも言えない快感を得る。妖精が取り持つ永遠の繋がりは、なんてミラクルで、そして温かくて優しいんだろう。 すべてのキャラクターたちが際立ち、そして愛すべき存在の彼らはみんな強烈なオーラを放っている。作者なのだから当然のことだけれど、ひとりひとりに森若の想いや愛が込められていると感じる。その中で、スピンオフ的に自分が好きなキャラクター、自分に似ているキャラクターを見つけるのも、面白いかもしれない。 悲しいこと楽しいこと、泣いてしまうことも声に出して笑いたいことも、テーマとなる「繋がり」を通して私たちはそれらを素直に受け止めるだろう。そしてそのあとには明るく楽しい薔薇色の人生が待っている、そんなメッセージが無理なく自然に含まれているようで、GO-BANG'Sの音楽と同じ元気パワーをもらえるのだ。 ページをめくる度に広がる世界は、妖精が杖を振りながら導いてくれているかのようにワクワクし、私たちはファンタジーと現実の境界を行ったり来たり出来る。ラブリー、キュート、ポップ、ロック、ワンダー、ちょっぴりホラーな局面も持ち合わせ、次に何が起こるのかドキドキのエピソーズに最後までそそられ続ける。そして、エンディングの一行を目にしたとき、また最初から読みたい!読まなくちゃ!何度も読み返したい!というループにすっかりハマルのだ。