最新刊
メヒコと日本人
(2021/06/11)※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この本は、学習過程の若返りをめざして、メヒコで一〇ヵ月余りの間、暮した中で私が考えたことを記している。 私は、あまりにも多く主観的な心情について書きすぎたかもしれない。この本で書こうとすることは、すべてそうした主観的心情の吐露であるわけではない。むしろ多くは、そうした心情を基礎としながらも、つとめて客観的に(自己を含めて)観察した結果であるつもりだ。いやもう少し正確にいえば、この本は多層的・多面的な幾つかのエセイから成り立っている。比較的にいえば、前半の方が、いままで述べてきた心情に近い層の問題であり、あとに行くほどどちらかというと客観的な分析に比重をおいたものとなる。(「はじめに」より) 目次 はじめに 1 《大日本(グラン・ハポン)》への期待ー日本人としてどう対応するか ふきまくる日本旋風/なぜ突然の日本ブームが/反米感情の投射としての「親日」/対日関心の処女性ー東南アジアと比較して/「手のよごれていない」日本/「親日」と安んじていられるか/メヒコの片おもい/「大日本」の反応/内なる大国意識 2 《無階級社会》から来た男ー市民として住みつく 住みつくということ/技術的なちがいと文化的なちがい/メヒコの階級格差/家事手伝(シルビエンヌ)の地位/特権層とのへだたり/人種平等の神話と現実/ポピュリズムと革命の神話/日本の「無階級性」をおもう 3 外国人の中の日本人ー学生としての接触ー ことばと社会/メヒコの英語とスペイン語教育/メヒコの日本人滞在者/エリートの優越感/無目的の若者たち/つかの間の「自由」 4 ラテンアメリカの学生ー大学院の教師としてー 日本研究の動機と関心/知的職業の社会的地位/日本研究の特徴と将来/インテリの左翼指向とその限界/日本の対応/若干の提案 5 中央と地方、都市と農村 都市化と観光主義/北部と南部/インディオの世界/あるインディオの一生/メヒコ社会の重層構造 6 日墨文化の接触ー日本人移民史点描ー 1 「協働」の理想社会を求めてー日墨協働会社ー(詳細略) 2 エスペランサ希望の野ー内村鑑三門下の人たちー(詳細略) 3 定着化と同化ー一世から二世ヘー(詳細略) 7 制度化された革命ー政治学者として孝える 政治へのシニシズムと期待感/革命の儀礼化と制度化/制度化の意味ー支配政党と諸集団/制度的カリスマとしての大統領/安全装置としてのナショナリズム/政治的「安定」はいつまで続くか/反対党の役割/若千の展望 あとがき