安藤昇
(20)最新刊
ChatGPTと共に育む学びと心
(2024/08/19)生成AI活用は教師にとっての「挑戦」である! 「授業5.0」未来の授業を見て、あなたは何を思いますか? 本書の概要 ChatGPTに代表される生成AIは、日本の学校教育をどのように変えるのか。子どもの学びを超個別最適化する生成AIを教師はどう活用すべきか。本書では、ChatGPT活用の基本である、「プロンプト」の作成から、個々の子どもに応じた所見の下書き文の作り方などを紹介します。さらに、小学校での授業における活用のポイント、ChatGPTを活用した不登校支援やいじめ防止策、ChatGPTと道徳教育との関係など、幅広い視点でAIとの学びを考えていきます。 本書からわかること ・ChatGPT活用はじめの一歩 ChatGPTは、与えられたプロンプト(指示文)から、文書を生成することができます。例えば、「あなたは環境問題の専門家として、中学生向けに環境問題の概要を400文字程度でわかりやすくまとめてください。」というプロンプトを与えると、ChatGPTは環境問題に関する400字程度の文章を生成します。この機能は、レポート作成や文章要約など、様々な場面で活用できます。 ・プロンプト(ChatGPTへの指示文)の6つの基本 ChatGPTとの効果的なコミュニケーションを実現するための、基本的なプロンプトの書き方があります。 1 AIの役割と目標を決める 例えば、プロンプト内で「小学校の理科教師」と特定し、その役割を明確にすることは、AIが提供する情報の質を高め、目的に沿った回答を導き出す上で非常に重要です。 2 視点と対象の特定 目標に対しての誰の視点で何を伝えたいのかを明確にすることです。視点を特定することで、言語モデルは使用する言葉や文体を適切に選択し、目的に合った回答を提供します。 3 構造化の重要性 プロンプトが複雑になるほど、その構造を明確にすることが重要です。区切り記号を利用することで、プロンプトを複数のセクションに分け、それぞれのセクションに具体的な指示を記述します。 4 回答例の提示 回答のスタイルや内容を明確にするために、具体的な回答例を提示することが効果的です。これにより、モデルは指示に沿った回答を生成しやすくなります。 5 思考過程の導入 特に複雑な問題や解答を要求する場合、思考過程(Chain of Thought)をプロンプトに含めることで、回答の質を向上させることができます。 6 AIに質問を促す プロンプトにおいて、「必要な情報があれば質問してください」というフレーズを含めることで、モデルがより多くの情報を求めることができます。 ・生成AIを授業で活用するポイント 1 検索エンジンではない 生成AIで検索するような使い方を推奨するのは避けるべきです。「検索」ではなく「創造」でそれを行う方がいいでしょう。 2 生成物を批判的に吟味する 「どんなプロンプトで生成されたのか」を考えるプロセスを取り入れることで、より生成AIが出してきたものを批判的に見られるようにして子どもの思考を活性化させます。 3 子どもの意見を分析して即座に返す 子どもからの回答をダウンロード。→子どもの名前、アカウント等個人情報を削除。→AIに読み込ませて分析させる。→AIが出してきた回答を子どもに紹介。→AIが出してきた回答の妥当性を更に子どもに考えさせるといった学びに活用できます。 ・生成AIを授業以外で活用する ChatGPTの登場により、私たちは教育の目的や子供たちに何を育てるべきかを改めて考える機会を得ました。生成AIを各教科等でうまく活用し、空いた時間でさらに調べたいこと、学びたいこと、発信したいこと、探究したいことに時間を使うことが可能になります。一方授業以外でも、「AIに安心して相談できる環境を整える」「不登校の子どもをChatGPTで支援する」「いじめ調査や心の健康の指導に活用する」とったことも考えられます。 生成AIについて考えるときには、道徳と切り離すことはできないでしょう。生成AIを自分の生き方と関連付けて考えていくことも大切な視点です。子どもの心をどう育むか、そのための教師の教育観や哲学はどうあるべきかも本書を通して学ぶことができます。 こんな先生におすすめ ・ChatGPTの最新の情報およびその基本の使い方を知りたい先生 ・ChatGPTを授業にどのように活用するかを知りたい先生 ・ChatGPTについて、ちょっと不安だけどその魅力も知りたい先生 ・ChatGPTを切り口に教育の未来を知りたい先生