奥村宏
(6)最新刊
資本主義という病
(2015/05/28)内田樹氏(哲学者、武道家)推薦! 「日本ではいま官民をあげて社会制度の『株式会社化』を推進している。国民国家も地方自治体も医療も教育も、株式会社に似せて組織化されねばならないと人々は呼号している。しかし、本書は株式会社が滅びを宿命づけられた、深く病んだシステムであることを教えてくれる。」 平川克美氏(事業家、文筆家、立教大学MBA特任教授)による1万字特別解説も収録。 「わたしは、日本社会の問題の中心に株式会社があると、見抜いた奥村の慧眼にいまさらながら、驚く。奥村のような息の長い研究をすることは稀有のことであり、ほんとうはこのような長期にわたる定点観測だけが暴きだせる真実というものがあるということを、ジャーナリストは奥村に学ぶ必要があるだろう。」 1970年代のオイルショック、2001年のエンロン事件、そして2008年のリーマンショック以降、さまざまな論者によって資本主義は行き詰まっている、危機に陥っている、さらには終焉を迎えようとしている、などと主張されています。 本書では、その原因を資本主義のエンジンである「株式会社」の巨大化・肥大化によるものであると鋭く指摘。 資本主義と株式会社の病因を「格差」「有限責任」「買収、合併」「支配」「実体」「金融資本」「無責任」「全体主義」などをキーワードに明らかにします。 さらに、資本主義と株式会社の先に別の道がないのかも探ります。 【主な内容】 第1章格差という病 ーピケティ『21世紀の資本論』に欠けているもの 第2章有限責任という病 ーJ・S・ミル、アダム・スミス、マルクスの株式会社論 第3章買収、合併という病 ー巨大株式会社の20世紀 第4章巨大化という病 ー危機に陥った株式会社 第5章支配という病 ー会社は誰のものか? 第6章法人という病 ー会社はヒトではない、モノでもない 第7章金融資本という病 ー「会社を売買する」とはどういうことか? 第8章無責任という病 ー企業に社会的責任があるのか 第9章全体主義という病 ー「会社人間」の時代は終わった 第10章資本主義という病 ー新しい企業システムを求めて [特別解説] 株式会社の定点観測者 ー奥村宏小論 平川克美