
大愚元勝
(17)最新刊
お金と宗教の歴史
(2025/06/25)なぜ、人はお金教に入信してしまうのか? YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」には多くの悩みが寄せられます。 悩みのトップにくるのは、「お金の悩み」なのです。少ない人も多い人も、お金で悩んでいます。実は、私たち僧も同じです。正見を説く仏教は、現実に存在するお金の悩みにしっかり対峙し、応えていかなくてはならないのです。 私が学生の頃、教授から言われた言葉があります。 Follow the money. (世の中で起きる出来事の真実を知りたければ、お金の流れを追いなさい) お金の流れを追っていくと、そこに「真実」が見えてきます。 歴史というのは言うなれば、「勝者の歴史」です。争いの勝者によって都合よくつくられた物語です。私たちが教科書で習う歴史も、それは同じです。真実を知るためには、お金の流れを追うしかありません。なぜならお金の流れは、嘘をつかないからです。そしてそれは、現在の歴史においても変わりません。 本書は、宗教、お金、戦、この3つの絡まりをほぐしながら、歴史を見ていきます。 3つの絡まりをほぐすことができるのが、お釈迦様の教え=真実を見る目だと私は考えています。 【主な内容】 はじめに─お金の流れを追うと 「真実」 が見える 序章 人は太陽、火、そしてお金を崇めた 第1 部 宗教とお金の誕生 第1章 宗教とお金、どちらが先に生まれたのか 第2章 農耕が富を生み、そこからさらに争いと宗教が生まれた 第3章 八百万の神の中でも、なぜ太陽神は特別だったのか 第2 部 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教 第4章 キリスト教もイスラム教も、ユダヤ教と税金が生んだ 第5章 教会税が大航海時代を導き、教会の堕落が宗教改革につながる 第6章 徴税の成功がもたらした産業革命 失敗がもたらしたフランス革命 第7章 なぜ戦争は起こるのか。世界大戦とその後の世界 第3 部 仏教の誕生と広がり 第8章 僧は「生産活動をしない」「支えられる」ことが仏教の前提 第9章 インドで生まれ、インドではいったん滅んだ仏教 第10章 アジアの仏教史1ーー 南伝仏教と北伝仏 第11章 アジアの仏教史2ーー大乗仏教は中国、朝鮮、台湾、そして日本へ 第4 部 日本の仏教 第12章 学問としての仏教から、支配者・統治者のための仏教へ 第13章 「偉い人のため」から「民衆のため」の仏教へ 第14章 葬式仏教に至った江戸時代、「お金教」に絡め取られた明治時代 争いの終わらない世界を生きる おわりに